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米国同時多発テロの影響
米国同時多発テロの影響


米国同時多発テロが米国の観光産業に大きな打撃を与えたことは言うまでもありません。それ以前にも以後にも、自然災害、不況、イラク戦争後の反米感情の高まりなどにより、米国観光が大きく減速したことは多いのですが、それでもなお、9/11テロの影響は、それらと比較にならないほど大きいものだったようです。


テロの1ヶ月後には、米国の旅客輸送量は43%減少16、米国航空会社は21億ドルの損失を被り、130,000人を解雇しています。航空機利用だけではなく、観光旅行そのものを避ける傾向が続き、航空会社の他、ホテル、レストラン、テーマパーク、美術館、ショッピング等観光関連産業にも大きな影響を与え、そこに働く多くの労働者が解雇されています。ホテル業界の宿泊費収入の減少は20億ドルに達し、コンベンション産業の損失も10億ドルに達したと報告されています。また、米国の観光産業が生み出す貿易黒字額が、1996年の260億ドルから、2004年の60億ドルまでに約77%も減少しています。


州政府、地方政府においても、観光関連税収の減少でさらに大きな財政難を迎えたようです。同時多発テロは、①旅行者の動向、②観光産業、③政府の観光関連規制の3つに大きな変化を与えました。


①旅行者の動向
テロ発生後の観光客が激減した後、低下した航空運賃と安全管理の徹底により、乗客が次第に戻りつつありました。それでも、安全管理への懸念や、新セキュリティプロセスの煩わしさ等から、航空機を避ける傾向がしばらく続いたようです。


反対に、米国内旅行は増加傾向となっています。購買傾向に関する調査の中で、飲食サービス部門とレクレーション及び娯楽部門が2004年に全体の31.5%を占め、2000年から4%の増加となっているなど、家族単位での飲食やレクレーションを行うcomfort tourismと呼ばれる国内旅行に増加がみられると分析されたところです。


米国向け海外旅行はテロ前の水準には戻っていません。専門家の中には、これは、イラク戦争等による反米感情の高まりによるものであると分析するものも多くいます。なお、テロ後における観光旅行客動向の中で特筆すべきは、インターネットによる旅行情報収集と予約数の激増であるといわれています。テロ後に市場に溢れた様々なディスカウントプランは、インターネット利用による検索、予約数の飛躍的な増大をもたらしました。今日では、旅行会社によるプランニングにかわって、インターネットによる検索、予約がより一般的になったといわれています。



②観光産業
同時多発テロ後において、観光関連企業や行政機関等において、相互の観光振興協力やマーケティング協力関係を結ぶことが多くみられるようになりました。例えば、デルタ航空では、ニューヨーク市政府の観光マーケティング組織であるNYC and CompanyやNY市内のホテル業界と提携を結び相互に連携したキャンペーンを行いました。デルタ航空側は、6ヶ月にわたって“Delta Loves New York”キャンペーンを行い、NY市側は“I Love New York More Than Ever” と題したキャンペーンを行いました。


これは、1970年から市が観光標語として使用している“I Love New York”を利用したものです。また、観光産業界では、インターネット活用の動きが活発してきたこともあり、旅行サービスの一元化を図る傾向が強くなりました。また、各地の観光協会においては、国内旅行需要の高まりもあり、地元向けの観光キャンペーンに集中する傾向も強まりました。


また、観光に関する危機管理やコンサルティングを手がける会社の出現もテロ後の特徴といえるでしょう。テロ発生により、コンサルタント業界における新規業務開拓分野として注目され、Tourism and More社のような組織が活躍を始めました。彼らは、観光産業界に対して、テロ発生や災害発生等への対処、リスクマネジメントを取り入れたビジネス展開についてのコンサルティングを行っています。


③政府の観光関連規制
米国政府は、テロ発生後の国家安全保障に関してセキュリティプロセス等の変更を数多く行ってきました。こうしたセキュリティプロセスの変更に対しては、観光産業界等から米国観光への悪影響を増大するものもあるとの批判も多くあります。セキュリティ強化の必要性は認めながらも、米国観光産業の持続的発展を阻害しないような配慮が求められているところです。


時間の経過とともに、テロ後の影響は薄れつつあり、経済指標等のデータによると、一般的には2004/2005年期における経済指標の数字からは、米国経済は同時多発テロ前の水準に戻ったと言われています。 しかしながら、航空業界やホテル業界、さらには雇用状況等に関しては、未だ復興していないとの指摘もあり、また、こうした観光産業の衰退は、連邦政府の積極的な取組みによって回避できたのではないかとの意見もみられます。


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