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2 価格高騰の背景
2 価格高騰の背景
穀物価格(及び原油価格)は、1~2年前と比較して大幅に上昇し、2008年に入ってから相次いで史上最高値を更新し、現在、価格は最高水準で推移しているところです。このように穀物価格が高騰した理由としては、主に以下の5点を挙げることができます。

①異常気象による減収
第1の理由は、地球温暖化等により、世界各地で気象災害が頻発しており、食料供給が不安定になっていることです。オーストラリアでは、2006、2007年に2年連続で大規模な干ばつが発生し、2006年の干ばつは、現在の穀物価格高騰を引き起こす直接の原因となりました。干ばつの結果、同国の小麦の生産量は、当初見通しと比較して、2006年には約6割減、2007年には約4割減となりました。このほか、2007年にはウクライナで干ばつ、欧州東部で熱波、欧州北西部で大雨が発生し、穀物生産量の減少をもたらしました。

②世界人口の増加
1985年に48億5500万人であった世界の人口は、1995年に57億1900万人、2005年に65億1500万人となった。今後、2015年には72億9500万人、2025年には80億1100万人、2035年には85億8700万人になると予測されています。1985年から2035年の50年間で、約1.77倍に増加する世界人口を扶養するためには、食料供給量も相応して増加する必要があります。しかも、経済協力開発機構(OECD)と国連食糧農業機関(FAO)による2015年までの世界農業見通しでは、世界の農畜産物需要の伸びは、世界人口の年平均増加率を上回ると予想されています。
これに対して、1960年代には年3%台であった単位面積当たり収量の伸び率は、1970年代は年2%、1980年代以降は年1.5%と鈍化しており、食料増産にブレーキがかかっている状況です。耕地面積の減少を考慮に入れると、増大する食料需要を賄うことができるか否か、予断を許さない水準にあるようです。

③新興国での食料需要の急増
第3の理由は、インド、中国等の新興国で、経済成長を背景として食料消費が急増し、また、食料消費のパターンが変化した結果、需給が逼迫していることです。
経済成長により購買力が拡大し、国民の生活水準が向上した結果、これらの新興国では、肉類の消費が増大している。肉類を生産するには、家畜飼料として穀物が必要になるため、肉類の消費量増大は、穀物消費量の一層の増大を導きます。この結果、中国の穀物需要量は、1970年から2005年までの35年間で倍増(飼料穀物の消費量は9倍に増大)し、世界の穀物消費量を押し上げています。また、食用油の消費が増大した結果、中国では大豆の消費が急増しており、2006/07年度の中国の大豆輸入量は、前年度比で13%増加し、3200万トン(全世界の貿易量の45.2%に相当)に達しています。一国で大豆貿易量の4割以上を輸入する中国の動向は、市場の攪乱要因となっています。
新興国の爆発的な需要増大の結果として、著しい供給不足が生じていることは、食料のみならず、エネルギー・鉱産資源についてもあてはまります。例えば石炭の場合、中国やインドの発電所・製鉄所建設により需給が逼迫し、2008年度に我が国の鉄鋼大手が調達する原料炭の価格は、前年度の3倍に高騰しています。

④バイオエタノール原料向け需要の急増
第4の理由は、穀物からバイオエタノールを生産する非食用需要が増大していることです。原油価格の高騰、中東への原油依存の削減、温暖化対策等の理由から、原油の代替エネルギーとしての穀物利用が拡大し、食料と燃料で限られた穀物資源を奪い合う事態が発生し、それが食料価格の高騰に結びついています。
2007年1月23日、米国のブッシュ大統領は、一般教書演説で、2017年までに年間350億ガロン(約1億3249キロリットル)の、バイオエタノール等の再生可能燃料・代替燃料使用を義務付け、また、2017年までに、ガソリン消費を20%削減すると表明しました。
これを受けて、米国では、トウモロコシを原料とするバイオエタノール生産が拡大し続けています。米国再生可能燃料協会(Renewable Fuels Association)の報告では、2008年4月現在、米国内で147ヵ所のバイオエタノール工場が稼動中(うち6ヵ所で拡張計画あり)であり、この他に55ヵ所の工場が建設中であるとされています。稼動中の工場によるバイオエタノール生産能力は、85億2240万ガロン(3226万キロリットル)であり、2006年1月現在の生産能力(43億3640万ガロン)から、ほぼ倍増しています。これに、現在、拡張・建設中の工場の生産能力50億8350万ガロン(1924万キロリットル)を加えたバイオエタノール生産能力は、合計で136億590万ガロン(5150万キロリットル)に達します。エタノール1ガロンを製造するのに必要なトウモロコシは、0.35ブッシェル(約9キログラム)とされています。これに基づいて、現時点で米国において稼動中のバイオエタノール工場の生産能力に相当する、85億2240万ガロンのエタノールを製造するためのトウモロコシの量を試算すると、約7670万トンになります。これは、現在の米国のトウモロコシ生産量(2008/09年度の推定生産計画量3億799万トン)の、約24.9%に相当する量です。
このため、増大するバイオエタノール原料向け需要にトウモロコシを振り向けることによって、米国のトウモロコシの輸出余力が低下し、穀物価格の高騰を導いていると思われます。
また、ディーゼル燃料の代替燃料として使用されるバイオディーゼルの需要増大も、原料となる大豆・ナタネ等の油糧種子の需要を高め、その価格の高騰を導いています。

⑤巨額の投機資金の商品市場への流入
継続するドル安と、2007年夏の米国の金融不安(サブプライム・ローン〔米国の低所得者向け住宅融資〕問題等)を契機として、従来、住宅ローン関連の証券化商品等に投資してきた世界中の投機資金が、ドル資産を離れて商品市場(エネルギー市場と穀物市場)に流入しました。
商品市場の規模は、株式市場、債券市場に比べて遥かに小さく、米国の株式市場(S&P500採用銘柄)の時価総額1510.4兆円に対して、小麦市場(シカゴ商品取引所)の市場規模は14.8兆円、トウモロコシ市場(同)は13.0兆円、大豆市場(同)は8.8兆円であり、いずれも株式市場の1%に満たないものです。商品市場で最大の原油市場(NYMEX)でも、市場規模は212.4兆円であり、株式市場の5分の1程度の規模となっています。このため、商品市場、特に規模の小さい穀物市場は、まとまった金額の買いによって、相場が上がりやすい特性を有しています。
巨額の資金量を有するヘッジファンドや年金基金は、この特性に注目し、近年商品市場に積極的に参入しています。こ のことは、①~④の構造的な需給逼迫要因に加えて、エネルギー・穀物価格を一層高騰させる要因となっています。
(続)

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