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◆過去60年で最悪の市場危機
◆過去60年で最悪の市場危機

 George Soros 1月26日 ウォールストリート日記
http://wallstny.exblog.jp/7133434/

今日の金融危機は米国の住宅バブルによって引き起こされた。この危機は、第二次大戦後に何度か見られたような金融危機と似ている側面もあるが、一点だけ今までと大きく違うことがある。それは、この危機が、ドルを世界の基軸通貨とすることによるアメリカの信用拡大の時代の、終焉を意味している点である。

経済活動においては小さなバブルの形成と破綻は普通に繰り返されるが、今回の破綻は、戦後60年間膨れ上がって来た、「スーパーバブル」と呼ぶべき信用拡大の終焉を意味する。

バブルの形成は、常に信用形成とリスクの誤認によって行われる。信用が拡大することで資産価値は上昇し、それが更なる担保価値の上昇をもたらすわけだ。そして住宅の購入が、その転売を期待してのみ行われるようになったとき、いづれ弾けるバブルの形成が始まる。

しかし「スーパーバブル」は、そんなに単純なものではない。

今まで信用の過剰拡張が問題に突き当たると、金融当局が常に介入を行い、流動性を供与して景気を下支えして来た。しかしこのような当局の行動は「モラルハザード」を生み、その結果として、繰り返し信用拡大が行われる結果となった。

このシステムはあまりにうまく機能して来たので、人々はロナルド・レーガンが「市場のマジック」と呼んだ仕組みを心底信じるようになっていた。私はこの考え方を「市場原理主義」と呼ぶ。市場原理主義とは、市場参加者が、各々の利益最大化を目指して行動すれば、市場は均衡点を見つけるだろうという考え方だ。

これは、明らかに間違った考え方である。というのは、このシステムは、政府の介入なしには機能しないことが明らかだから。にも関わらず、市場原理主義は80年代から圧倒的なイデオロギーとなり、市場はグローバル化して、またアメリカは外国への借金を拡大して国内の信用を拡大して行った。

言い換えると、グローバリゼーションは、アメリカが世界中から貯蓄を吸い上げ、自国内で作り出せる価値以上の消費を行うことを可能にして来た。その結果、経常赤字額は2006年時点でGDPの6.2%にも及び、また金融市場は消費者に、あらゆる手段で有利な借り入れをすることを勧めてきた。そのプロセスを、金融当局は介入によって下支えして来たわけである。

この「スーパーバブル」と呼ぶべき信用拡張は、金融商品が非常に複雑化し、当局がその価値を計算出来なくなって、リスクマネジメントを金融機関に頼らざるを得なくなった時点で、手に負えなくなった。同様に格付機関も、自らの判断で行うべき金融商品の価値計算を、その商品を組成し販売している、証券会社に頼らざるを得なくなったのである。これは驚くべき「責任放棄」と言えよう。

そして、発生の可能性が指摘されていた問題は、全て表面化した。

サブプライムローン問題はCDOの問題に派生し、地方政府や住宅ローン保証会社、再保険会社などを直撃し、数兆ドルに及ぶクレジットデフォルトスワップ市場にも多大な影響を及ぼした。投資銀行のLBOへのコミットメントは負債となり、市場の上下から影響を受けないはずのマーケットニュートラル戦略のヘッジファンドは、マーケットニュートラルではなかったことが明らかになって破綻に追い込まれた。ABCPマーケットは干上がり、リスクの高い資産をオフバランス化して資金調達をする手立ては閉ざされた。

そして決め手の一発が、金融システムの根幹とも言える銀行間貸出市場(インターバンク市場)が、各行が自分の問題処理に忙しく、また他行を信用できなくなったことで、機能しなくなってしまったのである。

その結果中央銀行は、今までには考えられないような多額の資金をインターバンク市場に注入し、また担保価値をあらゆる資産に認めることで、金融危機を回避しようと躍起になった。その結果今回の危機は、第二次大戦後で最悪のものとなった。

信用は今後しばらくの間、縮小の方向に向かうだろう。危機後に提唱されている資金調達手段は不完全で、生きながらえるのは難しいだろう。

アメリカ中央銀行が景気を刺激する手段も、最近になって外国政府がドルを準備資金として買い集めることを止めてしまったことで、その効果を失うだろう。投資家は今までFEDが何とかしてくれると期待して来たが、今回ばかりはそれが現実的ではないことと理解しなければいけない。

石油、食料、その他のコモディティの価格が堅調で、かつ人民元のレート上昇が加速している今、FEDはインフレ懸念についても真剣に検討しなければならない。FFレートが一定レベル以下になれば、ドルは売り圧力を受けることになり、長期金利は下がるどころか上昇することになるだろう。そのレベルがどこか見通すことは難しいが、現実になればFEDは完全に景気刺激手段を失い、機能不全に陥るだろう。

先進国の不景気入りがほぼ確実となってきた今でも、中国、インド、その他の産油国は好調を維持している。よって今回の金融危機は、グローバルな景気後退をもたらすのではなく、米国の相対的な地位の低下と途上国の地位向上という、グローバル経済の「再編成」を引き起こすだろう。

世界にとってリスクなのは、その結果政治的緊張が上昇し、アメリカが保守主義に陥って、グローバル経済を混乱させるか、最悪の場合は世界経済を不景気に引きずり込むことである。


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